リスペクトの気持ちって何?〜多様性のある環境に必要なもの〜

サイエンス

ルクステラを立ち上げた際、いくつか心に決めたルールがありました。

それは教室に通ってくれる子ども達に、自分と、そして自分以外の他者にも「リスペクト」の気持ちを必ず持てるようになってほしいな、ということ。

他者の中には、友達や家族などのヒトはもちろん、本やおもちゃなどのモノまで含まれます。

その意識が根っこにあることで、他者や物を大切にできるだけでなく、結局は自分のことや自分の気持ちも大切にできる人間になると思います。

以前いたフリースクールで卒業式をやった時のこと。
卒業生達がそれぞれの所属校の制服や、私服を着て参列しているのを見た時、みんな違うって何だか多様性があって、逆にとても良いなぁ!と思った記憶があります。
ふと自分自身のこれまでを振り返ってみても、実は私が安心できる居場所には、必ずこの多様性の精神があったな~と感じます。

先日お誕生日だった子に軽いサプライズで、クラッカー🎉を鳴らしてお祝いした際に、子ども達から
「なぜクラッカーは紐を引っ張ると大きな音が鳴るのか?仕組みを知りたいから分解したい!」
というリクエストがありました。
それで今月から、サイエンスの授業で身近な食材や物を使って、生き物の解剖や生活用品の分解などを行っているのですが、この授業でまず大事にしているのは「リスペクト」の気持ち。

生き物の解剖授業では、最初に「いただきます」と「ごちそうさま」の意味について子ども達に問います。
体の栄養、頭の栄養になるように「命をいただきます」
最後には「貴重な命をいただいてありがとう。ごちそうさまでした」の気持ちを持つことで、子ども達もふざけたり過剰に怯えたりせず、臆することなく命に真摯に向き合っています。

また乾電池や電卓、おもちゃなど、物を分解することは、ただバラバラにするだけじゃなく、一つひとつのパーツをじっくり観察し、繋がりを見ることでその物自体の価値を知り、結局は物を大切にする気持ちに繋がるよう、心掛けて実施しています。

成長期にはどうしても目についてくる、他者と自分の違い。
他の人と比較してあの人は自分より頭が良いとか、なかなかみんなと一緒に歩みを合わせる事ができず自己嫌悪で悩んでしまうとか。
あの子はたくさんの人に好かれてるし可愛いけど、自分は可愛くないからあんまり人に好かれないし友達もいなくて悲しくなる、とか。

大人になっても、人が持ってて自分が持っていないものを目の当たりにした際などには、そんな気持ちに支配されてしまう時もありますよね!
私も他人を羨ましく思ってしまうのは、しょっちゅうです😆

でも、

違いに共感はできなくても理解はできる。
違いを理解はできなくても認めることはできる。

その気持ちが「リスペクト」なのではないかな、とこの歳になって実感しています。

合う人合わない人、仲良くなれる人なれない人、どんなところにも誰にだって当然います。
自分が理解できないものや人ってどうしても怖いんですよね。だから攻撃する人も出てくるのだと思います。恐怖の裏返しです。
でも、共感はできないなら、無理してしないでいいんです。聖者じゃないんだから、たとえば自分に敵意を見せてる人にまで優しくする必要はないです😉

ただ、攻撃はせず、違いを認めて相手の存在を認めてあげる。
その場にいる人たち全員がその少しの気持ちを持つことができれば、世の中にあるいじめも諍いも、戦争ですら、大事にはならずそれぞれの安全は守られるのではと思います。

甘い!そんなシンプルじゃないんだよ!というご意見をお持ちの方もいるかと思いますが😅
これから大人になってたくさんの経験をしていく子ども達には、ベースの部分でこの気持ちを忘れずに持っていれば、きっと大切な人達や自分が好きなものときちんと出会うことができ、生き抜いていく武器になるのではと思っています。

21世紀になってやっとスタンダードになってきた感がある多様性。
子ども達に日々背中を見られている大人の一員として、私も子ども達に負けない位に、新しい感覚を臆せずどんどん学んでいき、多様性が当たり前に存在する居場所を作れるよう、これからも頑張ります✨

クラッカーはお家では絶対に分解してはいけません!火薬が入っているのでヤケドしたり、かなりの爆発音で耳も変になります!「怖さ」を知っている先生と教室で実験するから可能なんですよ~
イカとタコの吸盤の「違い」分かりますか?
ノートもそれぞれオリジナルのまとめ方です!自分の言葉や絵で「多様」に表現できました
イカには心臓が3つあります!ヒトとは「違い」ますね~。エラと心臓の役割もじっくり観察できました!

「サイエンス」の授業はこちら

タイトルとURLをコピーしました