作文でAIは使っていいの?~ついに来ました「生成AI」の壁~

授業紹介

大変久しぶりのブログ投稿となりました。。。

一昨年の年末のふりかえりの授業で、「来年は、授業内容の記録のためにも月1回はブログを上げるぞ~」と息巻いておりましたが、結局その目標は叶わず😓

毎年実施している年末のふりかえり授業では、教室としてのふりかえりも子ども達と同様に実施し発表しているのですが、「いやぁ、先生も今年はいろいろと忙しくてね...」と大人として後ろめたい言い訳をしたところ、子ども達は

「ふーん、ま、そんなもんだよ」

「大人っていつも忙しいって言い訳するよね」

などという、クールな切り返しを頂きました(笑)

遅いご挨拶となりましたが、2025年、今年もよろしくお願いいたします!

新年からは気持ちを新たに、引き続きマイペースで更新していければと思っています😅

さて、ルクステラをご利用中の子ども達にはこの年末年始の休み期間に、それぞれの成長段階や目標に合わせた宿題を出したのですが、共通して出したものが、

「年末年始で一番印象に残ったこと、ひと、もの」

をテーマにした作文。

自分の気持ちの表現が苦手な子、文章での表現・作文が苦手な子たちも在籍していますので、読書の授業やプレゼンテーションの授業では、文章の組み立てや表現の経験をこれまでたくさん積み重ねていきました。そして去年は、それぞれがとても大きな成長を遂げることができました。

それを踏まえて年末にこの宿題を出し、提出されたものをワクワクしながら読んだのですが、

「あれ?これはもしかして生成AIを使っているのでは?」

と漠然と違和感を感じたものがありました。

「勘」という言い方が一番しっくりくるのですが、文章は良くまとまっているけど何だか変に上手に書けているというか、誰かの手が入っている感じが。

本人達に確認したところ、やはりビンゴでした🎯

「おっと、いよいよ身近にこの波が来たか!」と、つい少しオモシロく思ってしまった部分もありましたが、「これは初手を誤ってしまうと、子ども達の将来を左右するような、割と大変なことになるぞ!」と、教育に携わる者としての自覚がすぐに現実に引き戻してくれ、逆に「生成AI使用の是非」について彼らと話し合うことができました。

今後どこかで必ずぶつかるテーマですので、考える良い機会となり、結果的に良かったと思います。

ちなみに今回の該当者はどちらも中学生。

PCの使用にはとても慣れており、日常的にインターネットを使って調べ物をし、ゲームなどで新しいツールもすぐに使いこなすことのできる、ITにも明るい子達です。

まさに、今どきの子ども達です。

ただ、自分の意見を文章で表現したり、感じた気持ちを言葉にすることには少し苦手意識を持っており、実際に言葉に詰まったり、なかなか言葉自体が出てこず黙ってしまう時間が続いたりするケースもまだあります。

彼らに今回生成AIを使った理由を聞いたところ、

・伝えたいことはあるけどどう表現して良いか分からなかった

・何を書けば良いか分からないからそのヒントが欲しかった

・作文の構成(はじめ・なか・おわりや起承転結)を意識すると、書き始めや結びにどんな事を書けば良いか思い浮かばなかったから、例を出してもらった

等々の理由を言ってくれました。

その後、その理由は解決されたか?を聞くと、みんな「Yes」の返答でした。

加えて、「もし次回別のテーマで作文を書いてくるように言われたら、同じように生成AIを使うか?」との問いかけには、

「アイデアが浮かばないなど、同じような理由があれば利用すると思う」

との回答。

ん?ということは、今後ずっと「自分 with AI」の状態でないと、自分の意見や気持ちが表現できなくなるんじゃない?

という私の問いかけには、子ども達は少し黙って考え、

「AIが無きゃできないっていうのはイヤだ」

との事。

その他、AIを使ったときのリスクはあるか?AIを使ったときはどう使ったのかを明記しなければいけないこと等についてもディスカッションした上、子ども達の答えとしては、

「今回AIを使ったことで、分からなかったやり方が分かったとか、次回は自分で作れそうってもし思えたなら、自分の力や学びになったって事だからいいけど、次回また使いたいってことは結局AIに手伝ってもらっただけだから、自分の成長には繋がってないよね」

という結論に落ち着き、今後は作文には生成AIは使わないことにし、子ども達も納得できたようです。

産みの苦しみは辛いけど、楽な方を選んじゃうと、せっかく頭の柔らかいグンと成長できる時期なのにもったいない。ちゃんと自分の言葉で自分を表現できるようになったら、その時AIを「使う」ことができるようになると思うよ。

と、すでに成長曲線下り坂↘の大人の私からも、ひと言お伝えしました。

日本の文科省が初等中等教育での生成AIの使い方、使うケースなどの指針を出しており、また海外、特にAI技術に先進的な国々では、教育にもどんどん活用し始めている例もあります。

また、英語や知識を習得するツールとしての活用では有益な成果も上げていますし、学校や保護者の方々の考えも様々だと思います。

ただ私個人の考えとしては、まだ成長の真っ只中で伸びしろの大きい10代までの段階では、自分の文章を作る際に生成AIを使うことには反対です。

オンライン授業をしていると、どうしても画面を見て受け身の授業になってしまいがちで、分かった気になってしまうのですが、しっかりと自分の学びとしては落ちていないと実感しています。

なので、私は国語や表現の授業に限らず数学や理科を教える際でも、必ずノートにたくさん書くことを徹底しています。

アナログな考え方だと言われるかもしれませんが、成長曲線が上り坂の段階では、コスパやタイパなどの効率だけを優先せず、手を動かし頭を働かせることが、結局は後々の学びの土台を築くことになるのではと思っています。

今後も保護者の皆さまや志を共にする教育業界の方々のご意見も伺いながら、読めない未来を生き抜く子ども達にとって、Betterな道を都度積み重ねていき、Bestに繋げていければと思います!

新年早々、私自身も良い学びの機会に恵まれました😊

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